"The Banshee"  (涙する女怨霊)
編集者 William Butler Yeats

あらすじ
アイルランドの女怨霊。
感想
アイルランドの民話。
訳してみての感想
古い、単語が極めて難解。OEDにさえ載ってない様な単語(例えばshee)が平気で出てくる。いや、これは理系には訳すの無理だろ。
意訳度―A原文忠実度―C熱心度―A




 バンシーは老齢の一家にのみ出現し泣きながら死を予言する霊。彼女が涙している姿を多くの人が目にしている。葬式の時に泣き叫ぶ農民の哀歌は彼女の泣き声の真似だと言われる程。二人以上のバンシーが出現して涙声のコーラスを歌う時、それは何か神聖で偉大なものが死ぬ時だ。バンシーが出現する前兆は木陰の馬車――頭のない馬に引かれた巨大な黒いデュラハンの霊送車。クローカーの話では、この馬車はあなたの家の前までガラガラと音を立ててやってくる。そして、おんぼろ馬車のためにドアを開けようものなら、顔に血塊が投げつけられるのだ。この頭のない幽霊が見られるのはアイルランドだけにはとどまらない。1807年には聖ジェームズ王公園を警備していた二人の夜警が恐怖の余り死んでしまった。頭がなく上半身が真っ裸の女性が深夜よく通り、柵をよじ登っていく。夜警はそれを目の当たりにするや否や死んでしまったのだ。ノルウェーでは死体の頭は、怨霊となった時の力をそぎ落とすため切り落とされる。デュラハンとは恐らくその怨霊が首を狩りに来たのだろう。もっともイギリス海峡をその猛威にもめげずに泳ぎ切ったといわれているアイルランドの巨人の生まれ変わりでなければ。

原典 ― Irish fairy and folk tales
出版者 ― New York : AMS Press
出版年 ― 1979
編集者 ― Yeats, W. B. (William Butler), 1865-1939 ed
訳者 ― Pippa

Copyright (C) 2004- Pippa
初版 2004年10月6日、最終更新 2004年10月6日


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